創what?

詐欺カルトからの覚醒メソッドを主軸に、世の中に蔓延る「なんとなく受け入れているもの」に風穴を開けましょう。こちらは、膨大な量の刷り込みにより凝り固まった思考を解きほぐし、自分らしさを解放し自由に生きる為のブログ。

カルトスカウター・13

 一ヶ月が過ぎ、二ヶ月が過ぎ。妻のお腹もだいぶ目立つようになり。

 仕事の方はまだまだ横ばい状態だったが、地味に右肩上がりをみせてきた。
 自分の過去のアルバイト先にまで人脈を遡って頭を下げ続けた。その結果が功を成したのか、部下の食いぶちだけは辛うじて確保出来た。
 警備以外の、軽作業員等の仕事も斡旋してもらうこともあった。これは会社としてではなく、個人間の契約として(法律違反になるので)、本業が休みの時のアルバイトとして任意の部下達に与えた。
 勿論、会社にはこの事は内緒だ。でもこれで、部下の生活は暫く維持できる。中には不満を漏らす者もいたが、収入が無いよりはましだと割り切る者が大半だった。
 当面の問題は、こんな状態では会社の利益が上がらない事だ。幹部の給与カットは依然続いていた。
 
 仕事が一応の落着をみせると、今度は家の問題だ。元々生活スタイルから性格まで合わない実家での生活に、妻が酷く疲れを見せ始めた。
 嫁VS創価脳姑&小姑合間見えてのバトルが勃発していた。私には水面下の冷戦のような展開に見えていたが、女同士の戦いというものはとかく酷いもので、私の不在時に、そこにプラス創価の訪問者が乱入するという構図は妻にとってはきっと地獄だったに違いない。
 元々東京での独り暮らしが長かった私は、かなり早い段階で引っ越しを実施した。その件で義母に散々お世話になった。
 話し合いは不毛だろうし(私も仕事でそれどころではなく)実家には未練もない。祖父以外、全員大嫌いだった。結論は至ってシンプル。
 唯一心を開けた祖父から生前、男同士の話として言われていた事もあった。
 上京前夜のことだ。

──「行くんか。……そうか。
 俺はな。一代でこの家を盛り上げたと思っちょる。家族を一番に、そう思ってやってきた。本当は男の子が欲しかったが、その願いは遂に叶わなかった。だが、お前が生まれた。だから、じいちゃんは、満足だ。
 お前も、じいちゃんみたいに夢叶えたら、必ず家庭を持って、嫁さんと子供を大事にしなさい。跡取りや親戚の事なんぞ考えなくていい。大した事じゃない。天皇家でもあるめえしよ」──
 
 それから六年後、祖父は他界した。それを学会幹部には、こう言われた。
「お爺さんは成仏していない。ライアー君が宿命転換して成仏させてあげなければならない。折伏しかない」と。私はじいちゃんを成仏させてあげたくて、必死で頑張った。泣きながらやったよ。けれど、その熱意も数年後には冷めしまった。
 四人折伏した。幹部には、止まることのないハッパをかけられた。これからだ、いよいよだと。ああ、終わらないんだなと悟った。
 自分の夢さえ叶えられない奴が、なんで。人を成仏なんてさせられる訳ねえじゃんって。そもそも成仏ってなんやねん。そう思い、私はそこで考えることを止めてしまっていた。創価に対して、そこで考えることを止めてしまったのだ。今思えば、あれは最大のチャンスだった。あの時、ちゃんと覚醒していれば、二十代前半で……悔やんでも、悔やみきれない。

 とにかく妻に、なるべくストレスフリーの生活をさせてあげたかったし、こんなことでまた何か大変なことが起きたら、今度こそ二度と、誰も許せなくなってしまうだろう。それが親であろうとなんであろうと。
 それともう一つ。
 仕事のせいにして、家庭にフィルターをかけて、見ないふりをして、てめえの趣味には没頭する、そんな男から生まれた自分を全否定したかったのもある。
 俺は、てめえみたいにはならねえんだよ、と。

 私も仕事に集中したい思いが強かったので、話し合いの結果、実家から遠く離れた営業所の近くに借家を借り、新生活をスタートさせることにした。
 必ず盛り返してみせる。そう決意していた。

──「なあ、胎教とかって、やらないの?」

 ある日、ふと思ったので妻に訊ねた。

「ああ、あれ無理。つわりが」

続く